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ニュージーランドをくつろぐ トップへ 次へ
清く正しくニュージーランドらしく快適にくつろぐ方法というものを最近真剣に考えてみた。
 
「ニュージーランドらしく」というのがポイントだ。日本では難しいがここではさり気なく「よーしっ、快適になるぞ!」ではなく頑張りのない、そして「どーだ俺は今快適だぞっっっ!」と近隣の塀越しに無用なストレスを与えない「のほほ~ん、なんてニュージーランドぉ」をキャッチフレーズに考えている快適だ。
だから、たとえマッサージ・チェアが安くても(安いかどうか知らないが)、日本の疲れたお父さんのように「う~気持ちいぃ」とか「おーそこそこ」などと椅子にモミモミされながら、気持ちよさそうな顔をフラットメートに見せるのは、今後の彼らのニッポンへの理解にも影響を与えそうでダメだ。
では何がいいか。外国生活にあこがれるひとつは大きな庭のある家だ。確かにプールのある家は多いし、週末にはあちこちで芝刈り機のエンジン音も聞こえる。そうだ、庭だ。
目標がにわかに庭に定まったので、すぐに家の庭をチェックしてみた。決して大きいとはいえないここの庭は、しかし3週間に一度業者による芝刈りとガーデニングによって常にきれいに保たれている。 季節ごとにきれいな花も楽しめ快適指数は実に高そうだ。あとはくつろぎ体制を整えるだけだ。デッキチェアとコーヒーテーブルを置き、椎名誠のような頭にもたれない軽い小説があればいいな。 とすでに快適イメージトレーニングは始まっていたが、すぐにデッキチェアとコーヒーテーブルの予算がないことに気が付き、計画は4.3光年ほど遠ざかっていった。
 
そんなことで庭からの魅力が少し薄らぎ始めた数日後、ふと前回のトランピング(トレッキング)で一緒に行ったカナダ育ちのニュージーランダーがハンモックを持っていたことを思い出した。 そのとき彼は山小屋の軒を支える外の柱と柱にハンモックを架けてそれがまたとても気持ちよさそうだった。
あとで自分もそれを借りたが、そのときハンモックが欲しくて欲しくてたまらなかった。
安い、さり気ない、快適。頭の中でまたすぐにハンモックでくつろぐ自分をイメージトレーニングして、早速次の休みにはハンモックを買いにアウトドアショップへ向かった。目的の物はすぐに見つかり、値段もたった9ドル95セント(\550)だった。
 
新しいものを買ってくると、私は大抵簡単なものでも取扱い説明を読んでから使用するほうなので、その日も家に帰るとまずインストラクションを読んだ。 「ふむふむ、夏は涼しく快適に…」まあ当然だ。「冬はスリーピングバッグと共に快適に…?!」最初どういう意味か分からず、スリーピングバッグの中に入れてくるまって寝るのかなとも考えたが、それではハンモックとしての使命が果たせないし、まるでハムみたいになった自分の寝姿を想像して、思わずかぶりを振った。
おそらくはスリーピングバッグをハンモックに乗せて寝るという意味だろうと解釈できたが、それはそれでイモムシがハンモックに揺られているような様は、どう見ても清々しくない。そんな取扱い説明を一通り読み終えてから、さてどこに吊るすかと思案してみた。およそ7分ほど考えたのち、この家には吊るす場所がないらしいことだけが分かった。
 
そのまま数日が過ぎたある日、洗濯物を干すために裏庭に出ていた。ふとそこに生えている木とガレージの柱が絶妙な黄金比で構成されていることに、パンツを干しているときに気が付いた。 パンツを干す手を早め、すぐにハンモックを持って見立てた場所に吊るしてみる。
「ニヤリ。」
早速コーヒーを点ててハンモックの上で飲んでみるとなかなかいい感じだ。
「お~ニュージーランドぉ」化しながらコーヒーのカフェインも手伝って興奮気味だ。
くつろぐのに興奮しちゃ意味ないよなー、と悲しき日本人になりながら、このハンモックはその後結構気に入っているのだった。
11 JAN 2000 @ Mt Eden
 
新年のご挨拶 トップへ 前へ 次へ
明けましておめでとうございます。
 
本当におめでたいことは、いつもどおり電気が点いていること、コンピュータが動いていること、ちゃんとトイレの水が流れることですね。
 
ここニュージーランドは、世界で真っ先に2000年を迎えた先進国ですから、世界がY2Kバグの動向を見守っていたのは周知のとおりです。
実際オークランドのカジノや大きな会社などでは大きな自家発電機を路上に設置し万一に備えていました。 私の会社も例外にもれず、万一のときのコンピュータ・システムなどのバックアップ要員として、一人レイモンドがカウントダウン・パーティにも行けずに会社で過ごすことになりました。
Tシャツにショートパンツ、それにビーチサンダルで出勤してきた彼は「このサンダルでY2Kバグ(虫)を踏みつぶすんだ!」と実に頼もしいお言葉。(ニュージーランドの明日はこの男が守ってくれる!)と全員が思ったかどうかは疑問ですが、まあそれほど深刻に受け止めていた人は多くはないということでしょう。
まだバグはどこかに潜んでいる可能性はありますが、まずはこうして普通に生活することができ一安心です。
 
私自身のミレニアムは、豪華な料理の数々を堪能できたパーティに参加することができ、幸せなうちに新年を迎えることができました。
Special thanks to Yoshiko さん、Gun ちゃん
01 JAN 2000 @ Auckland
 
はじめに トップへ 前へ
赤道を越えた南半球。
 
夜、一人静かに星空の下でステイン・ラガーをあける。
屋根の上に輝く南十字星。後ろの空にはオリオンが逆立ちをしている。
そんな星空を見上げると改めて自分が南半球にいることを実感する。
 
昼、散歩がてらジョギングに出る。
初夏の日差しが満開のコーファイに注ぎ、鮮やかな黄色がいっそうまぶしく輝いている。
春の花々が静かに咲き誇り、その風景に溶け込むように走り入る...
「今日のランチはチャイニーズのテイカウェイにしようか、 それともマウントイーデンのベーカリにしようか、う~ん、 昨日もチャイニーズだったしな~、悩むな~」
そんなことしか考えてない自分って…。
 
なぜ、自分はニュージーランドにいるんだろう…。
ここの生活は本当に自分が求めていたものだろうか?
いまさら、そんな自問に自身を不安へと駆り立てる。
とにかく、自分は今ニュージーランドにいる。
もう一度、自分に言い聞かせる。
Don't worry. Be happy!
01 NOV 1999 @ Mt Eden
 

 
 
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